ノベルアップ+5周年特別企画「なぜあなたは創作をするのか」
相変わらず細々とWeb小説を投稿している僕ですが、この度、投稿サイト「ノベルアップ+」で開催された上記の企画を受け、生まれて初めての“エッセイ”に挑戦してみました。
なぜあなたは創作するのか――すなわち、日々小説を執筆し“創作”を続ける人々が、なぜその道を歩もうとしているのか、なにがきっかけでその道を選んだのか……を、執筆するわけですね。
これまで創作した架空の世界観ばかりを手掛けてきた僕ですが、自分自身の“創作人生”について振り返るというのは、今まであまりしてこなかったように思います。
あくまで息抜きに……と書き始めたものの、気が付けば自分が生まれてから今日に至るまで、なぜ“創作”というものに触れるようになったのかを、がっつりと振り返っている自分がいました。
詳しくはノベルアップ+さんに掲載しているのですが、こちらのブログでも改めて、自身の“過去”を振り返ってみたいなと思います。
すべての起源となった、幼少期の“妄想癖”
片田舎で生まれ育った僕ですが、思えばかなり早い段階から“妄想癖”があり、とくに漫画やアニメ、ゲームに映画という“サブカル”に触れてからは、自分の脳内であれやこれやと“if”の展開を考えることも多くなりました。
誰しも一度はそういう空想をしたことがあるのかもしれませんが、「あのキャラとあのキャラが戦ったらどうなる?」だとか、「もしあのキャラが生きていたらどうなっただろう?」だとか。
脳内の“おもちゃ箱”をひっかきまわし、現実には起こりえなかったあれやこれやを考えるのはとにかく楽しくて、これが後に続く“創作活動”の原点となっているのは間違いないでしょう。
当時から絵をかいてみたり、漫画をしたためてみたりと色々やってきた僕ですが、“小説”という創作手段に気付くのはもっと後――高校2年のとある友人との出会いがきっかけとなっていました。
高校2年で出会った“小説執筆”という世界
高校2年で出会った友人はとにかく行動力の塊のような男だったのですが、彼が企画した“皆で小説を書いて、一冊の本を作る”という活動に参加したことが、僕と“小説執筆”が出会う大きなきっかけとなりました。
それまではそもそも小説を読むことはもちろん、文章で物語をしたためることなどやったことがなかったのですが、見よう見まねで自分の妄想を形にし、結果的に短めのファンタジー小説を作り上げることに。
今思い返してもかなり稚拙なものだったのは言うまでもないのですが、これを読んでくれた友人らの感動の声や賞賛は素直に嬉しく、自身のなかに奇妙な“感動”として焼き付いたのです。
これまでは頭の中にしまいこんでおくだけだった“世界観”が、文章として誰かの目に触れて、そして反応をもらえる――この出来事を経て、僕は“小説”を作り上げることに躍起になっていくようになりました。
小説投稿サイトとの出会い
大人になって一時は“創作”という世界から身を引くこととなる僕ですが、やはり結婚して家庭を持ってもなお、生まれついた“妄想癖”が消えることなどなく、仕事をする日々のなかでついに“小説投稿サイト”と出会うことになります。
ただでWebに作品を公開し、誰かに読んでもらえる――そんな世界があるのかと思い立った僕は、処女作となる一作をしたため、とある投稿サイトで連載を開始したのです。
しかし、同時に無名作家というものは投稿作品を読んでもらえないことが当たり前で、流行をまるで意識していない自分のような作品は“0PV”なんてものもザラだということを知ったのは、大きな衝撃でした。
何度も心が折れかけたのですが、一方で少ないながらも僕の作品を読んでくれて、コメントをくれ、ときには講評まで書いてくれた“ファン”という存在が、僕の創作意欲を最後まで繋ぎとめてくれたのです。
それからも僕はゆっくりと、着実にではありますが“小説”というものを執筆し、世の中に公開し続けていく日々を送っていきます。
本格的に作家を目指し始めた昨今
そんなこんながあって“小説執筆”が趣味となった僕ですが、家庭を持ち、一家の大黒柱として生きていくうえで、その“創作活動”をただの“趣味”ではなく、しっかりとしたお金を生み出す“生業”にしたい――そんな新たな目標を抱き、ついに“新人賞”や“Web小説大賞”などに本格的に挑戦するようになっていきます。
そんな無謀極まりない道を本格的に歩もうと思ったきっかけは、やはりともに歩いてくれる“妻”の存在でした。
日々、本業にいそしみお金を稼ぎ続けるなかで、彼女は僕に「家庭を守るために、好きなものまでなくさないでほしい」と告げてくれたのです。
この一言に背中を押された僕は、自分が本当に好きなこと――“創作”でお金を稼ぎ、生きていけるような人間になりたい……そんな“夢”を抱き、進み続けることを決めました。
生きていくなかで何度も諦め、自分なりに割り切ろうとしたこともあったのですが、やはり“好きなこと”に嘘をつくことは難しく、相変わらず“妄想癖”ははかどるばかり。
このまま何もしないまま、ただただ“妄想家”として終わりたくない――そんな一心から、僕は日々、文字を武器に“物語”を書き上げることを決意したのです。
頭のなかにいる“彼ら”に会いたい
……とまぁ、色々と振り返ってきたのですが、やはり改めて幼少期からの歩みを思い返すと、僕は年齢を重ねようが、家庭環境が変わろうが、ある一つの大きな“軸”を捨てきれないままなのだなぁ、と思ってしまうのです。
僕はきっと、“誰も見たことのないものが見たい”のだと思います。
だからこそ自分で“妄想”し、存在しない“誰か”を作り上げ、彼らが活躍する架空の“物語”を作り続けてきたのでしょう。
こうしている間にも、僕の頭には一人、また一人と架空の“誰か”が生まれ、彼らだからこそ成し遂げられる戦いやぶつかり合い、喜劇に悲劇を展開させていくのです。
そんな“彼ら”を、残りの人生のなかで一人でも多くこの世界に“小説”という形として具現化したい――それが僕がこれまで抱き続けてきた、あまりにも無謀極まりない“夢”なのではないか、と思う次第です。
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