ついに12月がやってきたことで、もう2024年も残すところあと一ヶ月となりました。
相変わらず前回の更新からかなり間が空いてしまったのですが、11月は実家・岡山のほうに急遽帰省したり、息子の風邪が家庭内で大流行したりと、思い返しても実に過密な一ヶ月だったように思います。
そんな11月なのですが、実はまたもや新たな“新人賞”に挑戦すべく、コツコツと新作の長編小説を書き上げておりました。
前述の通り、帰省に病気にと家庭そのものが右往左往していた一ヶ月だっただけに、当初思っていたよりもかなりハードな執筆となった次第です。
月が変わり、ようやく肩の力を抜くことができたこのタイミングで、11月の奮闘についての振り返りと反省をしていこうかと思います。
新たな小説新人賞・“GA文庫大賞”
今回、僕が挑戦をしようと決めたのは、11月末日が提出締め切りとなる「GA文庫大賞」。
その名の通り、GA文庫さんが主催している小説新人賞で、広義のエンターテインメント小説作品を募集しており、ジャンルや資格が不問という非常に間口の広い小説新人賞となっています。
これまで挑戦してきた新人賞とは打って変わって、投稿時の作品は「.txt」拡張子であれば特にフォーマットの問題はなく、兼ねてから我が家で問題となっていたOfficeがない問題も突破できることから、まさに自分にうってつけと思ったわけです。
完全な思いつきではあったものの、僕はこの新たな“小説新人賞”に向けて、兼ねてから温めていたとある作品を具現化し、提出することに決め、執筆を開始することに。
「手頃な賞があったから挑んでみる」というスタンスで投稿した新人賞だったのですが、作品投稿のさなかでこれまで挑んできた他の賞と異なる、数々の特徴に気付きました。
まずなにより、今回の新人賞は専用の投稿フォーム画面が用意されており、今期のみならず、以降も同様のマイページから作品の投稿ができるようなのです。
また、過去に投稿した作品の履歴などが見えることから、新人賞挑戦の軌跡を明確に残せるのは、なんとも独特だなと思った次第。
加えて、希望者には投稿作品に対する「評価シート」が送られるのも特徴で、もしかしたらようやく、自身が提出した新人賞作品に明確な第三者の評価をもらえることになるかもしれません。
かつての構想を具現化した作品「LINKs」
今回の新人賞に提出したのは、近未来の世界を舞台としたSF作品で、仮想現実のゲームで出会った人々が、徐々に暴かれていく世界の“謎”に翻弄されていく物語となっています。
タイトルは「LINKs(リンクス)」――そのタイトルの通り、様々な意味合いでの“繋がる”というキーワードを盛り込んだ一作です。
SF要素のみならず、ゾンビなどの怪物(仮想空間のものですが)との戦いや、世界に隠された陰謀といったものが絡み合う、ホラーやサスペンスの要素もミックスした一作となりました。
この作品、元々かなり前から構想自体は練っていたのですが、キャラクター一覧を作り上げたところで満足し、設定だけがずっとネタ帳のなかに眠っていたのです。
色々と迷った挙句、今回は兼ねてから蔵に入っていた設定を引っ張り出し、現在の僕の感性や実力により味付け、修正したものを提出しようと決めました。
元々は仮想現実の世界で主人公らのチームと、敵対チームがぶつかり合う“バトル要素”を色濃く出す予定だったのですが、今回はその構想を思い切り改変し、敵側の人間たちはほぼ全員、オミットすることに。
バトル展開自体は書いてみたかったものの、キャラクター数が増えれば増えるほどに展開が間延びすることを考え、あくまで主人公らは仮想空間が生み出したクリーチャーとのみ、交戦することに。
結果的にこの大幅な設定改変は功を奏し、既定文字数内で起承転結をまとめることができたように思います。
この辺りはやはり、“書きたいもの”をまとめていた過去に比べ、“まとまりのある物語”を書こうと、現在の自分自身が成長した証なのかもしれません。
意外と余裕のなかった11月の執筆
11月開始時点でキャラ設定とプロットを練り直し、初旬には着実に執筆に取り掛かった今回の新人賞作品。
予定通りであれば、半月ほどで執筆が終了するはずだったのですが、前述の帰省や子供の風邪騒動など、予定の見通しが甘かったことが災いし、結局、月末ギリギリまで時間を切り詰めて書き上げることになりました。
実家でも執筆はしていたものの、iPhone+キーボードという環境ゆえにそのペースはかなり遅くなり、風邪騒動のさなかでは子供らの看病をしつつ、自身も衰弱しながらなんとか着実に執筆を続けることに。
月末の週にいたっては半徹夜状態の日々が続き、相変わらず首だの肩だのにダメージを残してしまう、情けない姿を晒してしまいました。
今回の反省点は、以前と同様に執筆を行う上でのスケジューリングの甘さを、もっと徹底していく必要がある、ということになるかと思います。
執筆自体は安定していたものの、一方で自分を取り巻く家庭環境についての配慮が抜け落ちていたことが、今回の落ち度でしょう。
書くスピードはもちろんですが、自身が執筆可能な日取りがどれくらいあり、使える時間がどれほどのものなのか――つくづく、今後本気で“作家”として食っていきたいのなら、こういう点を今から徹底し、安定した執筆能力を培っていく必要があるということを、今回の失敗を通じ痛感した次第です。
執筆作品「LINKs」の感触
今回執筆した一作は、結果的に16万文字ほどの長編SF作品となりました。
前述の通りSF、アクション、ホラー、サスペンスを混ぜ合わせた一作なのですが、過去の自分が作り上げてきた構想を、成長した自分が具現化したこと自体、なんだか感慨深いものがあります。
思い返せば、Webに投稿した初めての作品もSFというジャンルを選んでおり、なんとなく書きたい世界観がそちら側に寄っているような気がします。
とりわけ、SF小説を多く読んできたわけではないのですが……作り上げた作品を通じ、自分自身の意外な一面が、またひとつ見えてきた次第です。
今回の「LINKs」もそうなのですが、重ね重ね、“書きたい物語”というのは常日頃から湧き上がってくるもので、まだまだネタ帳には数多の構想が眠っています。
それが世の中にウケるかどうか、は別としても、つくづく作品を“仕上げる”ということを置き去りにしてきた自分が、どこか情けなくもなってしまいますね。
12月は今の所、年末に向けてゆっくりと体を労わろうとは思っているのですが、一方で“次の新人賞にどんな物語を書くか”も、着実に考えていこうかなと思う次第。
いつもながら、新人賞というものへの挑戦はなかなかハードルが高いものの、一方で今回のように、自分の中で眠り続けていた“物語”が具現化する一つの機会になるというのは、ひとつの良いモチベーションになり得る、ということを再確認できた一ヶ月となりました。
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